(読売新聞 2019年5月17日の記事より引用)
●妊娠中から障害に準備
「検査で陽性の結果が出た時どうするか、意見が食い違うなら受けないことにしよう」
新型出生前検査を受ける前、東京都内に住むメイミさん(38)夫婦は、まずそう決めた。
この検査は、妊婦から採血し、血液中に混じる胎児のDNAを調べて、ダウン症など3種類の染色体の病気を推定する。
陽性なら詳しい検査に進み、確定すれば重い決断を迫られる。
「介護福祉芸人」を名乗り活動するメイミさんは、福祉施設で漫談などを披露しながら、障害のある人ともふれあってきた。
新型検査に関心を持ったのは「病気がわかれば事前に準備ができる」と思ったからだ。
夫(41)のほうは「障害のために子どもが長く生きられないとわかったら悲しい」と心配した。
障害がある人との交流経験がほとんどなく、イメージがわかないようだった。
「この子は産むけど、この子は産まないと線引きするのは、私の考えと違う」。
メイミさんが気持ちを伝えると、夫もそれを尊重してくれた。
意思統一したうえで検査に臨んだ。
結果を聞いた日、医師が口にした言葉は正直なところ「意外」だった。
「陽性です」
お腹の子はダウン症の可能性が高い。
「本当にこんなことがあるんだ」。
メイミさんは動揺を隠せなかった。
隣で身じろぎもしない夫。
話し合いを重ねていたはずなのに、夫は、「産まない選択肢もあるの?」と漏らした。
遺伝の専門家であるこの医師から、検査前のカウンセリングに続き詳しい説明を受けた。
落ち着いて考え、決心は変わらないと自覚した。
育てる上での不安はある。
家族や友人、仕事仲間はどう受け止めるだろう。
でも、子育てから学べることもあるのではないか。
「ダウン症の子を育てたいと思っても、確率的になかなかできることじゃない。特別な経験をさせてもらえるんじゃないかな」。
メイミさんがそういうと、夫の表情も明るくなった。
「そんな発想なかった。おもしろい見方だね!」
それからの2人は、早期療育の施設を見学し、ダウン症の親の会に参加。
胎教レッスン、骨盤ケア、座禅、マタニティーヨガーー。
妊娠中に準備できること、心身に良さそうなことはすべてやった。
2018年3月、東京都港区の愛育病院で、長男の勘介くんは生まれた。
1歳の今、幸い合併症もなく元気いっぱい。
成長はゆっくりだけど、「サポートしても無理強いはせず、互いに楽しく暮らしたい」。
3人になった家族には、笑顔が絶えない。
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